「海外FXで儲けても、日本の税務署にはバレないだろうから脱税できるんじゃないか?」と淡い期待を抱いていませんか?
FXで儲けると、それなりの額の税金を取られてしまいます。一定の所得税がかかるため、大きな負担に感じる方も少なくありません。仮に海外FXで脱税がバレないのであれば、前向きに検討したい、という方も多いはずです。
当記事では、海外FXと税金の関係性に迫ります。脱税は出来るのでしょうか?バレたらどんな罰則があるのでしょうか?海外FXによる税金について、少しでも詳しく知りたい方は必見です。
海外FXの脱税はバレないってホント?
残念ながら、海外FXであろうと脱税は高確率で発覚します!100%発覚しないとは言い切れないのですが日本の国税庁や税務署の能力は高く、資金の動きをしっかりと監視しているので、儲けが出ていると判断される場合は調査の対象にされてしまうからです。
こちらでは、脱税がバレる仕組み、そして海外FXで脱税した場合の罰則についてお伝えします。
海外FXによる脱税がバレる理由
大前提として把握して欲しいのが、税務署は個人所得を把握するシステムを構築している、という部分です。つまり金融機関から資金の流れに関する情報を提供してもらえるため、海外FXで儲けて日本に送金した時点で発覚してしまうわけです。
国内FX業者と同じく海外FX業者も損益計算書を発行する業者と発行しない業者があります。発行しない業者であれば脱税はバレないと思われがちですが、税務署はお金の流れを把握できる能力を持っているので損益計算書の有無は関係ありません。
では、どの程度の金額の流れを税務署は把握しているのでしょうか?ボーダーラインとなるのが100万円です。たとえば、海外の金融機関から日本の金融機関に100万円を超える着金があると、国内の金融機関は国外送金等調書とよばれる書類を提出することになります。その書類を税務署が確認すると、誰にどの程度の額の着金があるのか明確に把握できるわけです。
さらにもう一つが注目して欲しいのが、国税局は海外の徴税機関と提携している、という部分です。海外の徴税機関に情報公開を求められるので、より確実な額が把握されてしまいます。
ここまでの情報だと、「100万円を超える出金をしなければ平気なんじゃないの?」と思ってしまいますよね。実はそんなに甘いものではありません。
出金しなければ平気?
確かに儲けが出ていたとしても出金をしなければ、国内への送金の確認ができません。しかしせっかく儲けが出たのに、資金が受け取れないとなると使いみちも限られてしまいます。結果として、海外FXに再度投資するくらいの使いみちしかなくなってしまうわけです。
そもそも課税対象は送金されたときではなく、為替差益が出たときとされているので、厳密にはお金を移動させていたくても利益が出た時点で税金の対象となります。よって出金しなければバレない、という単純なものではないのです。
出金額を100万円以下に抑えるという方法を考えている方もいると思います。たとえば500万円の儲けが出た場合、50万円を10回に分けて国内に送金するわけです。残念ながらこちらの方法で利益を受け取ってもバレる確率は高いです。
定期的に送金している事実を掴むと、税務署は当然儲けを疑います。そこで調査対象となり、詳しく調べられ確固たる利益が確認されてしまうわけです。
脱税がバレたらどうなる?
仮にあなたが確定申告しなかった場合はどうなるのでしょうか?もちろん追徴課税を受けることになります。
各年分の無申告加算税は、原則として納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額となります。
なお、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合には、この無申告加算税が5%の割合を乗じて計算した金額に軽減されます。引用:国税庁
以上は、あなたに脱税の意思がなかった場合です。つまり意図せずに確定申告しない状況に陥った時は、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%が通常の税金に加算されます。
問題となってくるのは、脱税の確固たる意志があった場合です。その場合は、重加算税と呼ばれるものが課されることになり、延滞税や利子税もかかってくるため、多額の税を払わなければなりません。
- 脱税の意図がなかった場合の追加の税金・・・15%から20%
- 脱税の意図があった場合の追加の税金・・・35%から40%
海外FXによる1,000万円の利益を脱税した場合に40%が追加の税金とされると、それだけで400万円です。さらに通常の所得税も発生するので、結果的に利益が手元にほとんど残らない、といった状況も考えられます。
近年では、脱税に対し厳しく望む傾向も強まっています。特に悪質ととられるような手法で脱税すると、追徴課税だけでは済まされず刑事罰の対象となる可能性もあるのです。数千万円程度の脱税でも刑事罰対象になることが増えている点は頭に入れておきましょう。
脱税ですが、5年間で時効が来ます。悪質と判断される場合の時効は7年なので、過去にさかのぼって調査されることも少なくありません。
脱税は無理!でも節税は可能!
税務署の能力は高く、しかもペナルティが極めて重いため脱税はおすすめできません!しかし税金を抑えることは可能です。ルールに則って節税すれば、より多くの利益を手元に残せるのです。
こちらでは海外FXにおける節税方法を詳しくお伝えします。
細かな経費も計上すること
海外FXにかかる税金は所得税なので、所得を減らせば税金は少なくなります。所得は「収入-経費」で計算されます。つまり経費を多く計上できれば、所得を抑えられることになり、結果として税金が減るのです。
経費ですが、海外FXに取引にかかったコストであれば計上できます。たとえば、取引のために購入したパソコンやモニター、勉強するために購入した書籍や情報商材なども該当します。
以下に、経費として計上できる可能性が高いものを紹介します。
- パソコンやスマホ料金
- インターネットプロバイダ料金
- 椅子・デスク・照明の購入費用
- 家賃
- 光熱費
- サーバー代金
- セミナー参加費用
- 書籍代金
経費として計上するためには、必ずFXに関連付けられなければなりません。たとえば光熱費は取引している時間などで割って算出する必要があるわけです。
経費への計上については税務署の判断によっても変わってくるので、心配な方は前もって連絡し相談しましょう。
経費ですが年間で数十万円や、中には100万円を超えるケースも少なくありません。経費をもれなく計上できるように、メモをとるなどしましょう。
他のFX取引の業者と利益を相殺できる
FX取引の税金は、1社ごとにかかってくるのではありません。たとえば海外FXのトレードビューとXMを利用していたとして、トレードビューでは100万円の利益、XMは100万円の損失、ということであれば相殺されて税金は発生しません。
損益通算も可能
あなたが行っているのはFX取引だけでしょうか?アフィリエイトやフリーランスなどで活動していませんか?中には、不動産投資などをしている方もいるでしょう。
海外FXは雑所得として申告します。つまり雑所得として申告できる何らかの活動を他に行っている方であれば、その活動で発生する損失も一緒に計上できるのです。つまり損益通算できるので副業などで損失が出ている場合であれば、海外FXの税金がほとんどかからないことも考えられます。
タックスヘイブンへの移住
採用できる方は限られてしまいますが、税金が少ない国や地域へ移住することで所得税は抑えられます。
日本であると高額所得者には40%以上の所得税がかかりますが、世界を見ると高くても20%程度に抑えられているところもあるのです。
【世界の所得税】
- 日本・・・5%から45%
- アメリカ・・・10%から39.6%
- ドイツ・・・0%から45%
- イギリス・・・20%から45%
- フランス・・・0%から45%
- 中国・・・3%から45%
- シンガポール・・・0%から22%
- 香港・・・2%から17%
ただ注意してほしいことがあります。海外に住まいを移したとしても、国内に180日以上滞在していると、税法上は日本の居住者とされてしまうのです。形だけ海外に移住した場合は、これまでと同様に日本で税金を支払い続けることになるので注意してください。
まとめ
海外FXで税金をバレなくする方法は残念ながらありません。そもそも税務署の調査能力は高く、脱税はリスクが高すぎるのです。追徴課税額も高額なので、デメリットしかありません。
脱税ではなく、節税しましょう!経費を確実に計上したり、損益通算などを活用することで税金はかなり抑えられるはずです。タックスヘイブンへの移住という裏技的なものもありますが、出来る方は限られてくるでしょう。
海外FXの利益は確実に確定申告してください。税金をしっかりと払った上で、取引に集中するほうが良い結果を招くはずです。